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食の共同体 - 動員から連帯へ

『食の共同体 - 動員から連帯へ』
(ナカニシヤ出版、2008年5月)

岩崎正弥さんより新著を寄贈いただきました。池上甲一・岩崎正弥・原山浩介・藤原辰史の4人の共著です。
序章  食の共同体(藤原辰史)
第1章 悲しみの米食共同体(岩崎正弥)
第2章 台所のナチズム - 場に埋め込まれる主婦たち(藤原辰史)
第3章 喪失の歴史としての有機農業 - 「逡巡の可能性」を考える(原山浩介)
第4章 安全安心社会における食の布置(池上甲一)
終章  「胃袋の連帯」を目指して(池上甲一)
2004年10月に自主的な共同研究をスタートさせたのは、「食育基本法」制定後の世の動向への違和感からだそうです。だから「米食共同体」「ナチズム」「有機農業」「食育」といった時代も対象も異なる4つの論考に通底するのは、現状への批判の精神です。いつのまにか家庭の奥深くまで入ってきて、良いことという前提で流布し始めている「食」や「健康」をめぐる言動の背後に、権力の新たな動員のメカニズムないし資本に取り込まれる危険性を読み取り、同時に、そうした言動が国家権力や資本主義への対抗となりえていないことへの批判です。著者たちの現状への苛立ちが伝わってきます。
ところで、本書の意図からは少し外れるかもしれませんが、有機農業がこうした批判の対象となるまでに社会にある程度定着してきたことに関連して、一つの着想を得ました。農業の近代化で失われつつあった伝統的な農法を現代でも実践できる形で復活させてきたのが有機農業だとしたら、農業以外でも暮らしにかかわる多くの伝統的な技術を私たちは近代化の中で失ってきたわけだから、惜しまれる技術や手仕事はどうにかして今の暮らしに取り戻す努力がもっとあってよかったのではないか。そうした試みをポジティブな名称、たとえば「有機生活」とでも呼んで、意識化すべきではなかったか。遅ればせながらの思いつきです。
(片倉和人)
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