活動 -RIRCL-
NPO法人 農と人とくらし研究センター
カテゴリー「◆◆資料情報◆◆」の記事一覧
- 2024.04.18
[PR]
- 2009.05.09
自給再考―グローバリゼーションの次は何か
- 2009.05.09
随想 むらのくらしからみえること あわくら通信
- 2009.04.27
伝えたい邑楽館林の郷土料理
- 2009.04.22
生活技術研修館だより第15号
- 2009.04.18
山口県における農山漁村女性の生活改善を支えた生活改良普及員の足跡を追って
- 2008.12.29
集落営農活動における女性参画の現状
- 2008.09.26
山都町地域社会調査
- 2008.08.10
食の共同体 - 動員から連帯へ
- 2008.07.31
高齢者リーダーと地域農業への貢献-高齢者活動事例集-
- 2008.07.31
むらの元気をおこす定住者誘導の手引き
自給再考―グローバリゼーションの次は何か
『自給再考―グローバリゼーションの次は何か』
30年以上前から独自の活動を展開している民間研究所による、今日の視点による自給論集である。10名の個性的な著者による短文の、かつ基本的な課題への提起であるから、まとめて紹介することは難しい。また、執筆者はそれぞれに著名な方々であり、地味な農村生活関連の文献紹介の、この欄にふさわしいとは思えないが、ご依頼もあり、粗末な文章で失礼したい。以下、「目次」紹介。
一つは圧倒的な哲学というか、原理の提起という編集理念の問題である。いまの日本人にとって必要な糧は実際の自給のやりかたではなくて、こういう原則的な考え方そのものへの「再考」「再評価」である。この本の値打ちはそこにあるのだろう。しかしここの短文だけでは必ずしも著者たちの理念の全体に迫れない。読者はどこかでピンときたら、これらの文章群から著者たちの、それぞれの主著に接することが望ましい。そもそも自給の出発は自分自身の生活理念の独立である。
二つめは自給の基盤となる家族と地域の崩壊の現時点を原理的にどう踏まえるかという課題である。今日の社会には最早、安定したサラリーマン家庭も快適な都市生活もなく、危機的な状況はどこでも農業・農村と変わらない。かつて私の想定した自給的農村生活は20年ぐらい前の都市生活を横目に睨んでいたような側面があるが、いまはもう少し全国的な視野が求められているようである。その点でこの本は08.11月という世界史の転換になりうる時期に刊行されたことは意義深い。
三つめはそのことと関連するが、関氏が最後に指摘している「生活様式の自治」という提起の意義である。それが民主主義の要である、という規定はこれからもっと重視したい。
いま流行の家庭菜園も一つの市民的な動きだが、こういうささやかなものが自分の生活の反省、再発見の契機になりうる。現代人にとっては、まず自分の「生活」の主人公となることが求められているのでは無いか。
こういう問題提起の本として読みました。
山崎農業研究所編 農文協刊
30年以上前から独自の活動を展開している民間研究所による、今日の視点による自給論集である。10名の個性的な著者による短文の、かつ基本的な課題への提起であるから、まとめて紹介することは難しい。また、執筆者はそれぞれに著名な方々であり、地味な農村生活関連の文献紹介の、この欄にふさわしいとは思えないが、ご依頼もあり、粗末な文章で失礼したい。以下、「目次」紹介。
こういう圧倒的な文章群に対して、こちらの短文で何がいえるか。以下断片的に。西川 潤 : 世界の「食料危機」-その背景と日本農業にとっての意味-
関 曠野 : 貿易の論理 自給の論理
吉田太郎 : ポスト石油時代の食料自給を考える-人類史の視点から-
中島紀一 : 自然と結びあう農業を社会の基礎に取り戻したい
-自給論の時代的原点について考える-
宇根 豊 : 「自給」は原理主義でありたい
結城登美雄 : 自給する家族・農家・村は問う
栗田 和則 : 自創自給の山里から
塩見 直紀 : ライフスタイルとしての自給-半農半Xという生き方と農的感性と-
山本 和子 : 食べ方が変われば自給も変わる
-自給率向上も考えた「賢い消費」のススメ
小泉 浩郎 : 輪(循環)の再生と和(信頼)の回復
一つは圧倒的な哲学というか、原理の提起という編集理念の問題である。いまの日本人にとって必要な糧は実際の自給のやりかたではなくて、こういう原則的な考え方そのものへの「再考」「再評価」である。この本の値打ちはそこにあるのだろう。しかしここの短文だけでは必ずしも著者たちの理念の全体に迫れない。読者はどこかでピンときたら、これらの文章群から著者たちの、それぞれの主著に接することが望ましい。そもそも自給の出発は自分自身の生活理念の独立である。
二つめは自給の基盤となる家族と地域の崩壊の現時点を原理的にどう踏まえるかという課題である。今日の社会には最早、安定したサラリーマン家庭も快適な都市生活もなく、危機的な状況はどこでも農業・農村と変わらない。かつて私の想定した自給的農村生活は20年ぐらい前の都市生活を横目に睨んでいたような側面があるが、いまはもう少し全国的な視野が求められているようである。その点でこの本は08.11月という世界史の転換になりうる時期に刊行されたことは意義深い。
三つめはそのことと関連するが、関氏が最後に指摘している「生活様式の自治」という提起の意義である。それが民主主義の要である、という規定はこれからもっと重視したい。
いま流行の家庭菜園も一つの市民的な動きだが、こういうささやかなものが自分の生活の反省、再発見の契機になりうる。現代人にとっては、まず自分の「生活」の主人公となることが求められているのでは無いか。
こういう問題提起の本として読みました。
(森川)
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随想 むらのくらしからみえること あわくら通信
小松展之著 『随想 むらのくらしからみえること あわくら通信』
この小冊子は著者がかつて暮らした山村生活の日々の記録・「あわくら通信」から「むらのくらし」にかかわる部分をまとめたものである。著者の中国山村・20戸あまりの集落生活は16年にわたり、この「随想」の項目も55にわたるが、そのなかから村人の心情について触れられた箇所に注目したい。
それは気質・気風の「ひっそり」「あいまい」「ずさん」というキーワードである。
著者は定住2年めにそれを感じ、はじめは負の面を、つまりマイナスイメージで捉えていたが、必ずしもそれだけでなく、同時にむらびとのしたたかさでもあるという認識に変わったという。この言葉はふつう日本語としてはあまり良い語感を持たないが、いまもなお著者はこれにこだわり続けている。
このみっつはそれぞれ重なり合うのだが、あえていえば「ひっそり」は「される側」であり、「あいまい、ずさん」は物事をすすめる側に多いという。このふたつの「側」がむらの中で長期的にいえばそれぞれ入れ替わり、公平さが保たれるという。
「限界集落」論以降、最近は多様な山村論が多いが、それだけに内部生活経験者の発言は貴重である。
2009.4 埼玉文学倶楽部出版部刊
この小冊子は著者がかつて暮らした山村生活の日々の記録・「あわくら通信」から「むらのくらし」にかかわる部分をまとめたものである。著者の中国山村・20戸あまりの集落生活は16年にわたり、この「随想」の項目も55にわたるが、そのなかから村人の心情について触れられた箇所に注目したい。
それは気質・気風の「ひっそり」「あいまい」「ずさん」というキーワードである。
著者は定住2年めにそれを感じ、はじめは負の面を、つまりマイナスイメージで捉えていたが、必ずしもそれだけでなく、同時にむらびとのしたたかさでもあるという認識に変わったという。この言葉はふつう日本語としてはあまり良い語感を持たないが、いまもなお著者はこれにこだわり続けている。
このみっつはそれぞれ重なり合うのだが、あえていえば「ひっそり」は「される側」であり、「あいまい、ずさん」は物事をすすめる側に多いという。このふたつの「側」がむらの中で長期的にいえばそれぞれ入れ替わり、公平さが保たれるという。
「限界集落」論以降、最近は多様な山村論が多いが、それだけに内部生活経験者の発言は貴重である。
(森川)
伝えたい邑楽館林の郷土料理
『伝えたい邑楽館林の郷土料理
-農村に伝わるなつかしい味 伝えたい 親から子へ・・・-』
群馬県館林地区農業指導センターの鶴田悦子さんよりご寄贈いただきました。
郷土料理や行事食について、農村生活アドバイザーを中心に、生活研究グループや農村女性起業などの協力によって、1年間の研究検討が重ねられ、その成果をまとめられた冊子です。
「邑楽館林の行事食を知ろう」、「郷土料理を作ってみよう」、「ここにいけば味わえます女性起業が作る郷土の味」「郷土の味 体験できます」からなり、まず一年間の行事食と年間のものとして川魚調理、祭りや事日の食事が一覧にされています。農村生活アドバイザーからの聞き書きによる行事食の一覧表には、"言い伝え(唱える言葉等)"の項目があり、縁起や数え歌なども記されています。次に、七草がゆ、すみつかれなど8種類の郷土料理の調理方法が紹介され、女性起業グループからのおすすめの郷土の味、体験メニューの紹介と続きます。
-農村に伝わるなつかしい味 伝えたい 親から子へ・・・-』
邑楽館林農村生活アドバイザー協議会・東部県民局館林地区農業指導センター
群馬県館林地区農業指導センターの鶴田悦子さんよりご寄贈いただきました。
郷土料理や行事食について、農村生活アドバイザーを中心に、生活研究グループや農村女性起業などの協力によって、1年間の研究検討が重ねられ、その成果をまとめられた冊子です。
「邑楽館林の行事食を知ろう」、「郷土料理を作ってみよう」、「ここにいけば味わえます女性起業が作る郷土の味」「郷土の味 体験できます」からなり、まず一年間の行事食と年間のものとして川魚調理、祭りや事日の食事が一覧にされています。農村生活アドバイザーからの聞き書きによる行事食の一覧表には、"言い伝え(唱える言葉等)"の項目があり、縁起や数え歌なども記されています。次に、七草がゆ、すみつかれなど8種類の郷土料理の調理方法が紹介され、女性起業グループからのおすすめの郷土の味、体験メニューの紹介と続きます。
(富永祥代)
生活技術研修館だより第15号
『生活技術研修館だより第15号』
4月半ば「農林水産研修所つくば館」を訪れたときに波川鎮男さんからいただいた4ページの広報誌です。最後の「生活技術研修館だより」です、と言って手渡されました。
2006(平成18)年に六本木からつくばに移転した「農林水産研修所生活技術研修館」は、今年(2009年)4月から組織改変により農林水産研修所つくば館と名称を改め、その下に「水戸ほ場」(元農業技術研修館)も配置し、研修を集約的に(年間80本予定)行う施設に変わっていました。
1958(昭和33)年に生活改善技術館として産声を上げて以来、この半世紀の間にいくたびか名称を変え、最後まで残っていた「生活」の文字もこのたび消えました。最後の館長となった波川さんは「50年の歴史のある生活技術研修館の名前が使えなくなってしまうのは何ともさびしい限りではごさいますが、・・・」と「館長の挨拶」に記しています。
「生活技術研修館の歩み」というコラムをみると、まず1966(昭和41)年に「生活改善技術館」から「生活改善技術研修館」に名称変更し、省内組織改正にともない1990(平成2)年に「改善」の文字が消えて「生活技術研修館」となり、1992(平成4)年に農林水産研修所に所管替えしています。
最初の名称変更について、その10年後に当時(社)農山漁家生活改善研究会の会長だった山本松代は次のように回想しています。
「生活改善に関する諸問題を有機的に関連させて解決する場として建てられた『生活改善技術館』が、研修が主であるような印象を与える『生活改善技術研修館』という名に改名されたことを、ローマ滞在からもどって知ったことは、この創設者なる筆者にとっては驚愕以上の深い悲しみであった。」(山本松代「農山漁家生活改善研究会その発足とこれから」『社団法人農山漁家生活改善研究会20年のあゆみ』、(社)農山漁家生活改善研究会、1979年、23頁)
農林省の初代生活改善課長として、アメリカのロックフェラー財団を動かし、当時としては大金の3600万円の寄付を集め、受け皿として(社)農山漁家生活改善研究会を組織し、竣工と同時に農林省に無条件・無償で寄贈した山本松代にとって、生活改善技術館は、単に生活改良普及員の技術研修のみを行う施設ではなく、農業技術にとっての農業試験場のような、生活技術の実験場をも意味しました。
戦後まもなく『アメリカ哲学』を著した鶴見俊輔さんによれば、プラグマティズムという思想の核心は、概念についてのパースの定義にあり、今なら「概念とは、実験の計画だ」と訳すそうです。「信念とは、それによって行動する用意のある考えである。それ以外のものは、ただの考えであって、信念ではない」というペイン(イギリス経験論の当時の代表者)の影響を受けて、パースは「考えとは、それを何らかの実験にかけてみて、真理であることがわかる実験計画である」と定義しているといいます。(鶴見俊輔『たまたま、この世に生まれて 半世紀後の『アメリカ哲学』講義』、編集グループSURE、2007年、82頁)
「生活をよりよくすること」と「考える農民を育てること」の2つを目的に生活改善普及事業は戦後スタートしました。後者の「考える農民」の「考える」とは、「信念」(ペイン)や「概念」(パース)のように、行為と結びついた思考を意味し、それゆえ、山本松代にとって、研修のみで、実験(あるいは研究)がそこから切り離されたことは、生活改善普及事業の根幹にある考え方をも切り取られたと感じたのではないでしょうか。
話がそれてしまいましたが、元館長の田部浩子さんがこの最後の「だより」に寄稿していて、研修館で過ごした研修指導官時代を「人生の中で最もやり甲斐のある、ひたすら打ち込むことの出来た最高に充実した貴重なときであった」と回想し、その理由を述べておられます。
(農林水産省農林水産研修所生活技術研修館、平成21年3月)
4月半ば「農林水産研修所つくば館」を訪れたときに波川鎮男さんからいただいた4ページの広報誌です。最後の「生活技術研修館だより」です、と言って手渡されました。
2006(平成18)年に六本木からつくばに移転した「農林水産研修所生活技術研修館」は、今年(2009年)4月から組織改変により農林水産研修所つくば館と名称を改め、その下に「水戸ほ場」(元農業技術研修館)も配置し、研修を集約的に(年間80本予定)行う施設に変わっていました。
1958(昭和33)年に生活改善技術館として産声を上げて以来、この半世紀の間にいくたびか名称を変え、最後まで残っていた「生活」の文字もこのたび消えました。最後の館長となった波川さんは「50年の歴史のある生活技術研修館の名前が使えなくなってしまうのは何ともさびしい限りではごさいますが、・・・」と「館長の挨拶」に記しています。
「生活技術研修館の歩み」というコラムをみると、まず1966(昭和41)年に「生活改善技術館」から「生活改善技術研修館」に名称変更し、省内組織改正にともない1990(平成2)年に「改善」の文字が消えて「生活技術研修館」となり、1992(平成4)年に農林水産研修所に所管替えしています。
最初の名称変更について、その10年後に当時(社)農山漁家生活改善研究会の会長だった山本松代は次のように回想しています。
「生活改善に関する諸問題を有機的に関連させて解決する場として建てられた『生活改善技術館』が、研修が主であるような印象を与える『生活改善技術研修館』という名に改名されたことを、ローマ滞在からもどって知ったことは、この創設者なる筆者にとっては驚愕以上の深い悲しみであった。」(山本松代「農山漁家生活改善研究会その発足とこれから」『社団法人農山漁家生活改善研究会20年のあゆみ』、(社)農山漁家生活改善研究会、1979年、23頁)
農林省の初代生活改善課長として、アメリカのロックフェラー財団を動かし、当時としては大金の3600万円の寄付を集め、受け皿として(社)農山漁家生活改善研究会を組織し、竣工と同時に農林省に無条件・無償で寄贈した山本松代にとって、生活改善技術館は、単に生活改良普及員の技術研修のみを行う施設ではなく、農業技術にとっての農業試験場のような、生活技術の実験場をも意味しました。
戦後まもなく『アメリカ哲学』を著した鶴見俊輔さんによれば、プラグマティズムという思想の核心は、概念についてのパースの定義にあり、今なら「概念とは、実験の計画だ」と訳すそうです。「信念とは、それによって行動する用意のある考えである。それ以外のものは、ただの考えであって、信念ではない」というペイン(イギリス経験論の当時の代表者)の影響を受けて、パースは「考えとは、それを何らかの実験にかけてみて、真理であることがわかる実験計画である」と定義しているといいます。(鶴見俊輔『たまたま、この世に生まれて 半世紀後の『アメリカ哲学』講義』、編集グループSURE、2007年、82頁)
「生活をよりよくすること」と「考える農民を育てること」の2つを目的に生活改善普及事業は戦後スタートしました。後者の「考える農民」の「考える」とは、「信念」(ペイン)や「概念」(パース)のように、行為と結びついた思考を意味し、それゆえ、山本松代にとって、研修のみで、実験(あるいは研究)がそこから切り離されたことは、生活改善普及事業の根幹にある考え方をも切り取られたと感じたのではないでしょうか。
話がそれてしまいましたが、元館長の田部浩子さんがこの最後の「だより」に寄稿していて、研修館で過ごした研修指導官時代を「人生の中で最もやり甲斐のある、ひたすら打ち込むことの出来た最高に充実した貴重なときであった」と回想し、その理由を述べておられます。
(片倉和人)
山口県における農山漁村女性の生活改善を支えた生活改良普及員の足跡を追って
『山口県における農山漁村女性の生活改善を支えた生活改良普及員の足跡を追って』
「むら・人・くらし」情報交換会に呼ばれて、2008年11月に山口県を訪れ、生活改良普及員の親睦団体である「ともしび会」の幾人かとお話する機会がありました。会員の方々から、山口県が生活改善を農業政策の中に位置づけて、国の方針と一線を画してでも生活改善の精神を守り続けてきたことをうかがいました。そのとき、持って帰るのは大変だからと、後日、送ってもらったのがこの本です。報告書の体裁とはいえA4版で545ページ、事典のような大冊です。送ってくださった柴田しほさん(山口県農林水産政策課)によれば、磯村豊子さんが現役時代にとりまとめたものだそうで、柴田さんは、時折、読み返しながら仕事の参考にしているそうです。
「序にかえて」によれば、平成3年2月に国が「生活改良普及員」の呼称を廃止して「改良普及員」に一本化した後も、山口県では山口県規則により独自に「生活改良普及員、生活改善専門技術員」として採用し任用してきたそうです。しかし、平成16年の農業改良助長法の改正で専門技術員制度が廃止されると同時に、「生活改良普及員」という職名も消え、平成17年度から「農業普及指導員」という名称に改正されたとのことです。
生活改良普及員の足跡だから、普及行政の史料と説明が大半を占めますが、全国資料からの抜き書きやインタビュー調査の記録も載っていて、生活改善普及事業全体の歴史の記録になっています。市田知子さんが山口県を訪れて、恵本ふじのさん(元生活改善実行グループ)、内田富美子さん、随行した藤井チエさん、岡千代子さん(以上、元生活改良普及員)から、生活改善普及事業の様子を聞いたときの記録が載っていて、戦後まもなくの村の中で、生活改善グループを作るときの困難が語られています。婦人会があるのにそんなものは要らん、と言われるなか、恵本さんは、普及員をつれて人目を避け提灯さげて勧誘に回ったと述懐しています。
なお「ともしび会」は、農と人とくらし研究センターの会員に登録していただいていて、現時点では唯一の団体会員です。
(山口県、2007年3月)
「むら・人・くらし」情報交換会に呼ばれて、2008年11月に山口県を訪れ、生活改良普及員の親睦団体である「ともしび会」の幾人かとお話する機会がありました。会員の方々から、山口県が生活改善を農業政策の中に位置づけて、国の方針と一線を画してでも生活改善の精神を守り続けてきたことをうかがいました。そのとき、持って帰るのは大変だからと、後日、送ってもらったのがこの本です。報告書の体裁とはいえA4版で545ページ、事典のような大冊です。送ってくださった柴田しほさん(山口県農林水産政策課)によれば、磯村豊子さんが現役時代にとりまとめたものだそうで、柴田さんは、時折、読み返しながら仕事の参考にしているそうです。
「序にかえて」によれば、平成3年2月に国が「生活改良普及員」の呼称を廃止して「改良普及員」に一本化した後も、山口県では山口県規則により独自に「生活改良普及員、生活改善専門技術員」として採用し任用してきたそうです。しかし、平成16年の農業改良助長法の改正で専門技術員制度が廃止されると同時に、「生活改良普及員」という職名も消え、平成17年度から「農業普及指導員」という名称に改正されたとのことです。
生活改良普及員の足跡だから、普及行政の史料と説明が大半を占めますが、全国資料からの抜き書きやインタビュー調査の記録も載っていて、生活改善普及事業全体の歴史の記録になっています。市田知子さんが山口県を訪れて、恵本ふじのさん(元生活改善実行グループ)、内田富美子さん、随行した藤井チエさん、岡千代子さん(以上、元生活改良普及員)から、生活改善普及事業の様子を聞いたときの記録が載っていて、戦後まもなくの村の中で、生活改善グループを作るときの困難が語られています。婦人会があるのにそんなものは要らん、と言われるなか、恵本さんは、普及員をつれて人目を避け提灯さげて勧誘に回ったと述懐しています。
なお「ともしび会」は、農と人とくらし研究センターの会員に登録していただいていて、現時点では唯一の団体会員です。
(片倉和人)
集落営農活動における女性参画の現状
『集落営農活動における女性参画の現状』
―男女共同参画関係調査・分析調査事業 平成19年度報告書―
農業・農村分野での女性参画の課題が多角的に究明されている昨今であるが、その中で本報告書は「集落営農」といういわば基礎的、基盤的な領域での現状と課題について、リーダーの本音も含めて具体的に分析を試みた成果である。
報告書は協力の得られた福井・広島・大分県において実施した339事例のアンケート調査と全国5県9事例集落営農組織調査の分析から構成されている。集落営農は各県・各地域によって性格が異なるのが当然であるが、アンケート対象では、①法人48.3%、特定農業団体29.6%、②組織の範囲 ひとつの集落単位 76.3%、③構成員数 「15人以下」25.5%「16~30人」36.3%「31~50人」25.5%④女性「0人」36.2%、「1~2人」26.3%、「3~9人」27.6%、「10人以上」9.9%、⑤構成戸数・8割弱が1戸1人である。これらの組織は稲・麦・大豆・そばを主体とし、女性構成員のいる場合は野菜の割合が高くなる。生産以外では直販・加工・直売所・交流・食育の活動が多い。女性構成員の担当している活動は「補助作業などの農作業」が84.6%と圧倒的で、「経理事務」18.1%、「販売」「加工」はともに9.3%である。そして女性の組織運営への参画状況は、「組織運営全体」参画は20.1%、「担当分野」参画は15.6%、「実働メンバーとして」は79.0%で、女性の力量を開発する課題にとってはまだ初歩的な段階であることを示している。しかしアンケート回答者に今後を聞くと、「推進したい」は54.3%「現状維持」49.35%とほぼ半々になっている。この点も含めて自由に意見を求めたところ、実に豊かな回答が寄せられ、本報告書のかなりの分量をしめて記述されている。これはいわば今日の現場指導者の苦労の中での、「集落営農」あるいは「女性参画」に止まらない地域農業振興にあたっての本音、提言、苦言として受け止めるべきではないか。
9事例調査はこの課題での先進事例紹介であるが、その分析から(1)女性の参画を可能にした要件として①組織形態②参加資格③事業内容と役割④雇用形態⑤人間関係をあげて事例ごとに解明し、さらにそこから、(2)参画促進に向けた課題としてつぎの4点を指摘している。
①まず組織に女性構成員そのものを増やし、そのなかから役員を登用することである。
②女性の技術や経験を活かした事業展開はみられるが、その役割は部門の運営に限られており、組織全体の運営にかかわることが少ない。この「集落営農」組織でも、男女が共に主体となるように転換をはかることが求められている。
③事業活動のなかに女性の家庭事情・適性・仕事の習熟度などを配慮した勤務シフトと就業形態を工夫してつくりだし、全体として柔軟な雇用体制をつくる必要がある。
④女性組織そのもののをつくったり既存組織との連携をはかるなど、仲間づくりを進め、その中から意識的につぎつぎと人材育成をはかる。
分析では最後にこれらの課題をすすめるための関係機関によるソフト面の支援および振興政策による現実的な支援を提起している。
本報告書の末尾には調査事業検討委員の安藤光義氏と楠本雅弘氏のコメントがあり、いずれも短文ながら示唆に富む。
―男女共同参画関係調査・分析調査事業 平成19年度報告書―
安倍澄子・諸藤享子著 全国農業改良普及支援協会刊 平成20年3月
62+(資料)25頁
62+(資料)25頁
農業・農村分野での女性参画の課題が多角的に究明されている昨今であるが、その中で本報告書は「集落営農」といういわば基礎的、基盤的な領域での現状と課題について、リーダーの本音も含めて具体的に分析を試みた成果である。
報告書は協力の得られた福井・広島・大分県において実施した339事例のアンケート調査と全国5県9事例集落営農組織調査の分析から構成されている。集落営農は各県・各地域によって性格が異なるのが当然であるが、アンケート対象では、①法人48.3%、特定農業団体29.6%、②組織の範囲 ひとつの集落単位 76.3%、③構成員数 「15人以下」25.5%「16~30人」36.3%「31~50人」25.5%④女性「0人」36.2%、「1~2人」26.3%、「3~9人」27.6%、「10人以上」9.9%、⑤構成戸数・8割弱が1戸1人である。これらの組織は稲・麦・大豆・そばを主体とし、女性構成員のいる場合は野菜の割合が高くなる。生産以外では直販・加工・直売所・交流・食育の活動が多い。女性構成員の担当している活動は「補助作業などの農作業」が84.6%と圧倒的で、「経理事務」18.1%、「販売」「加工」はともに9.3%である。そして女性の組織運営への参画状況は、「組織運営全体」参画は20.1%、「担当分野」参画は15.6%、「実働メンバーとして」は79.0%で、女性の力量を開発する課題にとってはまだ初歩的な段階であることを示している。しかしアンケート回答者に今後を聞くと、「推進したい」は54.3%「現状維持」49.35%とほぼ半々になっている。この点も含めて自由に意見を求めたところ、実に豊かな回答が寄せられ、本報告書のかなりの分量をしめて記述されている。これはいわば今日の現場指導者の苦労の中での、「集落営農」あるいは「女性参画」に止まらない地域農業振興にあたっての本音、提言、苦言として受け止めるべきではないか。
9事例調査はこの課題での先進事例紹介であるが、その分析から(1)女性の参画を可能にした要件として①組織形態②参加資格③事業内容と役割④雇用形態⑤人間関係をあげて事例ごとに解明し、さらにそこから、(2)参画促進に向けた課題としてつぎの4点を指摘している。
①まず組織に女性構成員そのものを増やし、そのなかから役員を登用することである。
②女性の技術や経験を活かした事業展開はみられるが、その役割は部門の運営に限られており、組織全体の運営にかかわることが少ない。この「集落営農」組織でも、男女が共に主体となるように転換をはかることが求められている。
③事業活動のなかに女性の家庭事情・適性・仕事の習熟度などを配慮した勤務シフトと就業形態を工夫してつくりだし、全体として柔軟な雇用体制をつくる必要がある。
④女性組織そのもののをつくったり既存組織との連携をはかるなど、仲間づくりを進め、その中から意識的につぎつぎと人材育成をはかる。
分析では最後にこれらの課題をすすめるための関係機関によるソフト面の支援および振興政策による現実的な支援を提起している。
本報告書の末尾には調査事業検討委員の安藤光義氏と楠本雅弘氏のコメントがあり、いずれも短文ながら示唆に富む。
山都町地域社会調査
『山都町地域社会調査』
『山都町地域社会調査 ・ 別冊―高校生地域意識調査、PTA母親調査』
徳野教授から贈呈をうけたこの二冊の報告書は、徳野研究室が積み上げてきた「過疎農山村調査シリーズ」の5冊目にあたり、平成18年度に実施した院生・学生の総参加による地域調査の基幹となる文献である。
過疎農山村は最近、話題となることが多いが、その現実となると、世間には皮相的な観察が散見される。かねてから徳野教授はこの問題について、積極的な発言に努めておられるが、その研究室の総力を挙げて「地域社会は一体、どうなっているか」と正面から問う本格的な調査報告である。山都町は平成17年2月に熊本県上益城郡矢部町・清和村、阿蘇郡蘇陽町が合併して誕生した新しい自治体で、熊本市の南東にあたり、車で約一時間という都市圏内だが、同時に山林・原野72%で地形は起伏に富み、かつ人口約2万人という農山村を語るには手ごろな地域である。勿論、町役場としてはこの調査に新しく発足した合併自治体としての展望を描きたいという目的がある。
ここを対象に旧矢部6地区、旧清和4地区、旧蘇陽3地区の成人(18歳以上80歳未満)の385人を抽出して296人の面接から有効回答をえた結果の分析である。調査分析項目は基本構造・社会移動・生活空間・中心市街地・地域観・観光文化・コミュニケーション・農業・交通・教育・高齢者からなる。「別冊」は高校生101名の進路・家族、地域・将来、休日・インターネット、通学手段・学習環境の調査、小・中学生をもつ母親109名の地域観・教育の調査からなるが、先の基幹調査を補完するものになっている。このほか研究室として中心市街地活性化、バス問題、花嫁問題、高齢者の社会的位置づけ、4集落についての小字単位の生活・集落構造などについて別個に調査分析を進めておられるが、本報告書はそれら個別課題研究の基盤となる地域社会全体像についての解明が試みられている。
徳野教授は、本報告のまとめとして、A.住民が町人口は増えないだろうと思っているのに施策としては人口増を要求しているというズレ、B.熊本都市圏との生活上の結びつきの強さ、C.しかも他出子の四分の三はそこにすんでいること、D.車依存が進んでいること、E.農業には多様な施策と結んで独自の展開が求められることなどを総括的に指摘しておられる。評者はそのまとめに納得すると同時に、九州地方における農山村としてのそれなりに安定した暮らしの姿が印象深い。それぞれ調べれば中国中山間地域、東北農山村地域との違いはあるだろうが、九州の背骨にあたるこの地域の、底力のようなものを感じた。
『山都町地域社会調査 ・ 別冊―高校生地域意識調査、PTA母親調査』
熊本大学文学部地域科学科社会学研究室 地域社会問題研究会 徳野・松浦調査班
338頁、107頁 2006年
徳野教授から贈呈をうけたこの二冊の報告書は、徳野研究室が積み上げてきた「過疎農山村調査シリーズ」の5冊目にあたり、平成18年度に実施した院生・学生の総参加による地域調査の基幹となる文献である。
過疎農山村は最近、話題となることが多いが、その現実となると、世間には皮相的な観察が散見される。かねてから徳野教授はこの問題について、積極的な発言に努めておられるが、その研究室の総力を挙げて「地域社会は一体、どうなっているか」と正面から問う本格的な調査報告である。山都町は平成17年2月に熊本県上益城郡矢部町・清和村、阿蘇郡蘇陽町が合併して誕生した新しい自治体で、熊本市の南東にあたり、車で約一時間という都市圏内だが、同時に山林・原野72%で地形は起伏に富み、かつ人口約2万人という農山村を語るには手ごろな地域である。勿論、町役場としてはこの調査に新しく発足した合併自治体としての展望を描きたいという目的がある。
ここを対象に旧矢部6地区、旧清和4地区、旧蘇陽3地区の成人(18歳以上80歳未満)の385人を抽出して296人の面接から有効回答をえた結果の分析である。調査分析項目は基本構造・社会移動・生活空間・中心市街地・地域観・観光文化・コミュニケーション・農業・交通・教育・高齢者からなる。「別冊」は高校生101名の進路・家族、地域・将来、休日・インターネット、通学手段・学習環境の調査、小・中学生をもつ母親109名の地域観・教育の調査からなるが、先の基幹調査を補完するものになっている。このほか研究室として中心市街地活性化、バス問題、花嫁問題、高齢者の社会的位置づけ、4集落についての小字単位の生活・集落構造などについて別個に調査分析を進めておられるが、本報告書はそれら個別課題研究の基盤となる地域社会全体像についての解明が試みられている。
徳野教授は、本報告のまとめとして、A.住民が町人口は増えないだろうと思っているのに施策としては人口増を要求しているというズレ、B.熊本都市圏との生活上の結びつきの強さ、C.しかも他出子の四分の三はそこにすんでいること、D.車依存が進んでいること、E.農業には多様な施策と結んで独自の展開が求められることなどを総括的に指摘しておられる。評者はそのまとめに納得すると同時に、九州地方における農山村としてのそれなりに安定した暮らしの姿が印象深い。それぞれ調べれば中国中山間地域、東北農山村地域との違いはあるだろうが、九州の背骨にあたるこの地域の、底力のようなものを感じた。
(森川辰夫)
食の共同体 - 動員から連帯へ
『食の共同体 - 動員から連帯へ』
岩崎正弥さんより新著を寄贈いただきました。池上甲一・岩崎正弥・原山浩介・藤原辰史の4人の共著です。
ところで、本書の意図からは少し外れるかもしれませんが、有機農業がこうした批判の対象となるまでに社会にある程度定着してきたことに関連して、一つの着想を得ました。農業の近代化で失われつつあった伝統的な農法を現代でも実践できる形で復活させてきたのが有機農業だとしたら、農業以外でも暮らしにかかわる多くの伝統的な技術を私たちは近代化の中で失ってきたわけだから、惜しまれる技術や手仕事はどうにかして今の暮らしに取り戻す努力がもっとあってよかったのではないか。そうした試みをポジティブな名称、たとえば「有機生活」とでも呼んで、意識化すべきではなかったか。遅ればせながらの思いつきです。
(ナカニシヤ出版、2008年5月)
岩崎正弥さんより新著を寄贈いただきました。池上甲一・岩崎正弥・原山浩介・藤原辰史の4人の共著です。
2004年10月に自主的な共同研究をスタートさせたのは、「食育基本法」制定後の世の動向への違和感からだそうです。だから「米食共同体」「ナチズム」「有機農業」「食育」といった時代も対象も異なる4つの論考に通底するのは、現状への批判の精神です。いつのまにか家庭の奥深くまで入ってきて、良いことという前提で流布し始めている「食」や「健康」をめぐる言動の背後に、権力の新たな動員のメカニズムないし資本に取り込まれる危険性を読み取り、同時に、そうした言動が国家権力や資本主義への対抗となりえていないことへの批判です。著者たちの現状への苛立ちが伝わってきます。序章 食の共同体(藤原辰史)
第1章 悲しみの米食共同体(岩崎正弥)
第2章 台所のナチズム - 場に埋め込まれる主婦たち(藤原辰史)
第3章 喪失の歴史としての有機農業 - 「逡巡の可能性」を考える(原山浩介)
第4章 安全安心社会における食の布置(池上甲一)
終章 「胃袋の連帯」を目指して(池上甲一)
ところで、本書の意図からは少し外れるかもしれませんが、有機農業がこうした批判の対象となるまでに社会にある程度定着してきたことに関連して、一つの着想を得ました。農業の近代化で失われつつあった伝統的な農法を現代でも実践できる形で復活させてきたのが有機農業だとしたら、農業以外でも暮らしにかかわる多くの伝統的な技術を私たちは近代化の中で失ってきたわけだから、惜しまれる技術や手仕事はどうにかして今の暮らしに取り戻す努力がもっとあってよかったのではないか。そうした試みをポジティブな名称、たとえば「有機生活」とでも呼んで、意識化すべきではなかったか。遅ればせながらの思いつきです。
(片倉和人)
高齢者リーダーと地域農業への貢献-高齢者活動事例集-
『高齢者リーダーと地域農業への貢献-高齢者活動事例集-』
農業界あげて課題となっている「集落営農」は、その多くは高齢者が主力である。その力をいかにして引き出すかに関心が集まっているが、この冊子はその力の結集に成功しつつある全国16事例の紹介からなっている。全国といっても福島県が北限だから、そこにも意味が隠されているかもしれないが、16事例をむらづくり、販売加工交流、生産活動、集落営農の分野にわけてポイントを整理している。さらにそこから高齢者リーダーの育成・支援のあり方について2事例を追加して展開している。したがって普及機関だけでなく、この問題をどうしようかとで現場で悩んでいる振興関係者にとってなにかに引っかかる箇所があり、その点で参考になろう。
(全国農業改良普及支援協会、平成20年3月)
農業界あげて課題となっている「集落営農」は、その多くは高齢者が主力である。その力をいかにして引き出すかに関心が集まっているが、この冊子はその力の結集に成功しつつある全国16事例の紹介からなっている。全国といっても福島県が北限だから、そこにも意味が隠されているかもしれないが、16事例をむらづくり、販売加工交流、生産活動、集落営農の分野にわけてポイントを整理している。さらにそこから高齢者リーダーの育成・支援のあり方について2事例を追加して展開している。したがって普及機関だけでなく、この問題をどうしようかとで現場で悩んでいる振興関係者にとってなにかに引っかかる箇所があり、その点で参考になろう。
むらの元気をおこす定住者誘導の手引き
『むらの元気をおこす定住者誘導の手引き』
農村に都会から移住したい、あるいは定住したという話は多いが、どこも必ずしもうまくいっている訳ではない。しかし、相思相愛の仲だから、なんとかまとめたいと、京都府農業会議の依頼で京大・秋津さん、近大・池上さんらが研究会をつくり、府下の事例をまとめて誠に手頃なリーフレットをつくった。評者もこのテーマで厚い報告書を何冊か手掛けたが、この話は難しくしても仕方がないのである。要するに双方が気に入れば、端でとやかくいうことはない。京都ではこうやると成功します、といういわば受け入れ側の仲人さんのための「手引き」である。仲人さんは古典的存在のボランティアだから、気軽に動いてもらわねばならない。その辺のコツを整理して並べた小冊子だが、かねてより高名な京都府農業会議健在なり、印象である。
(2008.3、農村リーダー読本)
農村に都会から移住したい、あるいは定住したという話は多いが、どこも必ずしもうまくいっている訳ではない。しかし、相思相愛の仲だから、なんとかまとめたいと、京都府農業会議の依頼で京大・秋津さん、近大・池上さんらが研究会をつくり、府下の事例をまとめて誠に手頃なリーフレットをつくった。評者もこのテーマで厚い報告書を何冊か手掛けたが、この話は難しくしても仕方がないのである。要するに双方が気に入れば、端でとやかくいうことはない。京都ではこうやると成功します、といういわば受け入れ側の仲人さんのための「手引き」である。仲人さんは古典的存在のボランティアだから、気軽に動いてもらわねばならない。その辺のコツを整理して並べた小冊子だが、かねてより高名な京都府農業会議健在なり、印象である。
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